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ゴンズイを食べるウミウ

ゴンズイは背びれと腹びれのトゲに毒を持ったナマズの仲間です。

このゴンズイを食べるウミウを観察しました。1月28日に馬堀海岸の岸壁を歩いていると、観音崎方面から飛んできたウミウが近くの海上に着水しました。

海上に浮くウミウ

そのウミウは潜水を繰り返し始めて、すぐに大きな魚をくわえて浮上してきました。

それがゴンズイでした。

ゴンズイのエラの辺りに嘴を突き刺すウミウ

ウミウはゴンズイを何回も振り回したり、鉤状に尖った嘴の先端で突いたり、くわえなおしたりして数分後に食べました。

食べ方はもちろん鵜呑みです。

頭の方から吞み込むのがトゲが刺さらないコツのようです。

ゴンズイを何度もくわえなおす若いウミウ

ウミウは2匹の大きなゴンズイを食べると観音崎方向に戻って行きました。短い観察時間でしたがこの日は2羽のウミウの採食行動を観察しました。

近くの猿島には夕方になると数百羽のウミウが帰ってきて、ねぐらを取ります。

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汀のミユビシギ

1月2日 三浦市上宮田の三浦海岸でミユビシギの群を観察しました。

ミユビシギは6月から7月に北極圏で繁殖し、日本では8月~5月頃まで見られる渡り鳥です。

三浦海岸のミユビシギは20羽ほどの群で砂浜の波打ち際を歩き回って何かを食べていました。

波打ち際を走るミユビシギ

ミユビシギは波によって打ち寄せられる細かい有機物を食べますが、この日はこぞって小さな粒状のものを食べていました。

透明で小さな粒状のものを食べるミユビシギ
波で砂浜に線状に打ち上げられた粒を食べるミユビシギ

はっきりとは分かりませんが、沖で産卵され浮遊して海岸にたどり着いたボラの卵かもしれません。

もちろん食べていたミユビシギたちも自分たちが何を食べているのか知らないと思います。

ミユビシギは細かいものを食べることで他の鳥との競合を避けていますが、食べているものが細かすぎるので一日中食べ続けなければなりません。

砂浜を走り回るミユビシギは英語ではSanderling(サンダーリング)と呼ばれています。

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オオバヤシャブシの実とマヒワ

1月9日の朝、湘南国際村めぐりの森で冬鳥のマヒワの群を観察しました。

マヒワは数十羽でオオバヤシャブシの木に群がっていました。マヒワの目的は球果(きゅうか)と呼ばれるオオバヤシャブシの松ぼっくりのような実です。

オオバヤシャブシの球果
オオバヤシャブシに群がるマヒワ(1月9日)

マヒワたちは先のとがった嘴で球果の隙間から種子を取り出して食べるのに夢中でした。ここにはオオバヤシャブシがたくさんあるので少し前から滞在しているようです。

オオバヤシャブシの種子を食べるマヒワの雄(1月14日)

オオバヤシャブシは伊豆七島などでは火山地帯に生えるパイオニア植物(やせ地に最初に生えてくる先駆者)として知られています。湘南国際村はかつてゴルフ場として表土を削られた場所なのでオオバヤシャブシをはじめ、アカメガシワやカラスザンショウなどのパイオニア植物が多く見られます。