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観察記録

まんまるオタマ

9月13日、横須賀市野比かがみ田にて大きなオタマジャクシを見つけました。大きさはウシガエル級ですが、体の透き通り具合や目の離れ具合から、アマガエルであると思われます。

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両生類は卵から幼生、幼体へと短い期間にどんどん体の形が変わってきます。これを変態と言いますが、どう変態するかは卵の発生のときに決まっています。中学高校の生物の資料集に、カエルやイモリの卵の一部分を切り取って別の卵に移植したりして、本来頭になる部分を2つにしてみたり、他の器官になる部分を削ったりしてへんてこな幼生を意図的に作り出す実験が掲載されていると思います。勝手に奇形ができてしまっては種の存続に関わりますので、通常はあり得ないことですが、まれに野外でも卵が傷ついたりしておかしな幼生が生まれることがあります。

おそらくこの個体は、オタマジャクシからカエルへと変態するスイッチを失って、ただひたすらに大きくなり続けているのだと思います。

ところで、ペットでも人気のウーパールーパー(アホロートル)も、じつは幼生の形のまま大きくなります。本来はイモリやサンショウウオのように、大人になるとエラがなくなって肺呼吸になるはずですが、ウーパールーパーの場合は幼生の形のまま大人になり、ちゃんと卵も産みます。これを幼形成熟と言います。環境条件によっては、ウーパールーパーもちゃんとエラがなくなってイモリのような形へと変態することがあります。

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さて、まんまるオタマの行く末やいかに!?

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自然観察会の報告

観察会報告 晩秋の花 11月14日 

十三峠から望む横須賀港

天候:晴れ  参加者:8人
コース:JR田浦駅10:00~長善寺~大田坂~十三峠~塚山公園~逸見駅14:30

 田浦の街の和菓子屋さんに立ち寄ってから、十三峠に向かいました。この和菓子屋さんは後継者がなく近く廃業してしまうそうです。
 浦賀道の難所とされていた十三峠に登る大田坂も今は、舗装されて道の脇には外来種のトキワツユクサが目立ちました。

今は舗装されている大田坂の階段

 十三峠にもペラペラヨメナヒメツルソバなどの外来種が見られましたが、徐々にシロヨメナ、タイアザミ、コウヤボウキなど昔からこの道にあったと思われる花が見られるようになりました。

県立塚山公園の領域に入ると更に花が多く、他では見られなくなってしまったアキノキリンソウをはじめ、ツリガネニンジン、アキノタムラソウ、キッコウハグマなどが多く咲いていました。

三浦半島の各地で少なくなったツリガネニンジンもここにはたくさんありました。

 晩秋の花も終盤で、公園の一部では草刈りも始まったようで、草花の成長に合わせて草刈りを行っている公園の管理が見て取れました。







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自然観察会の報告

晩秋のバッタ

11月2日、横須賀市池上で草刈りを行いました。ハンマーナイフ(草刈り機)を使うとその振動に驚いて出てきたのは、たくさんのバッタたちでした。刈った草はチカラシバ、セイタカアワダチソウ、セイバンモロコシなどです。


 コバネイナゴ、クビキリギス、ツユムシが多く、次々と飛翔して逃げました。

ススキにとまったコバネイナゴ
大アゴの朱いクビキリギス
チカラシバの穂のフサフサに苦戦するツユムシ

谷戸の田んぼなどで見られるハネナガイナゴやセスジツユムシがいなかったのは環境のせいか或いは時期のせいかもしれません。
 そのほかにツチイナゴ、オンブバッタ、ショウリョウバッタモドキ、クサキリも少数が見られました。

ブルブルと音を立てて翅を震わせるツチイナゴ
ショウリョウバッタモドキは2・3匹
1匹だけ見られたクサキリ

夕方には気温が低くなり、バッタたちが草刈り機に巻き込まれそうなので、草刈り作業を中断しました。

ススキなど一部を島状に残しておきました。