三浦半島は、神奈川県南東部に位置する167k㎡ほどの小規模な半島です。
およそ56万人の人々が暮らす、首都圏のベッドタウンとなっています。

横浜市金沢区から伸びる三浦丘陵は、逗子市、葉山町、横須賀市の背骨となる、標高200m前後の丘陵地です。横須賀市長井から三浦市にかけては台地で、高くても標高60mほどしかありません。

この丘陵地と台地の半島には、無数の小さい谷が刻まれています。
谷と言ってもV字状で渓流が流れているような環境ではありません。
谷底は平らで、小川はたくさん枝分かれしながら緩やかに東京湾や相模湾に流れ込みます。この地形を、この地域では「谷戸」と呼んでいます。

谷戸には三浦半島の伝統的な里山の環境が形成されていました。

明治16年(1883年)の横須賀市の地形
明治16年(1883年)の横須賀市の地形 出展:日本財団図書館

谷底の水田、
さらさら流れる小川、ため池、
薪炭林としての雑木林、
かやぶき屋根を葺くための茅場…

こうした谷戸には、長い時間をかけて固有の生態系が成り立っていました。
谷戸では多様な生き物たちの営みを観察することが出来ます。

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