有害鳥獣捕獲について

list_alttopic, 三浦半島の生物

最近、イノシシがたびたび三浦半島に出没し、話題に上がっています。

三浦半島はもともとイノシシやシカなど大型哺乳類の分布域でしたが、明治以降獣たちと人の均衡が崩れ、現在に至っています。

大型獣との軋轢を忘れていた三浦半島の人々は今回の一件で大いにパニックになり、有害鳥獣捕獲をする運びとなってしまいました。

有害鳥獣捕獲は、加害個体を捕獲した後、被害を避けられる場所に放獣するのが通例ですが、今回葉山で使われている猟具は“くくりワナ”です。

これでは運搬して放獣することは不可能で、現状でも捕獲された個体は殺されています。

そもそも鳥獣保護法に基づくもので、“被害の状況及び被害防除対策の実施状況を的確に把握し”“被害防除対策によっても被害が防止できないと認められるとき”許可されるものです。ところが、今回は鳥獣保護法を遵守しない異例の駆除となり、初動を見誤ったためにおきた悪しき前例になりました。

生物多様性に富んだ暮らしを望むのであれば、彼らがもたらす弊害とも共存をする相当の覚悟が必要です。それでも、森を歩くと獣たちの暮らす息吹が感じられる、狸と化かし合うことが出来る世界に、豊かさを覚えませんか。

keyboard_arrow_up